平成30年度第33回海洋化学学術賞
平成30年度第33回海洋化学学術賞は,平成29年4月28日(土)京都大学楽友会館にて,植松光夫氏に授与されました.
植松光夫氏
所属・職:東京大学大気海洋研究所・客員教授
略歴:
1975年 北海道大学水産学部卒業
1977年 北海道大学大学院水産学研究科修士課程修了
1980年 北海道大学大学院水産学研究科博士課程修了
1980年〜1987年 米国ロードアイランド大学研究員
1987年〜1988年 東海大学海洋研究所助教授
1988年〜1992年 北海道東海大学助教授
1992年〜1997年 北海道東海大学教授
1997年〜2004年 東京大学海洋研究所助教授
2004年〜2010年 東京大学海洋研究所教授
2006年〜2010年 東京大学海洋研究所附属海洋科学国際共同研究センター長
2010年〜2018年 東京大学大気海洋研究所教授・国際連携研究センター長
受賞題目:海洋表層・大気下層間の物質循環に関する研究
推薦理由:
植松光夫氏は,海洋表層と大気下層間の物質循環およびその海洋生態系との関係について数多くの業績を残した.その研究成果は,世界的に高く評価されている.たとえば,アジア大陸で春季に発生する砂嵐によって巻きあげられた鉱物粒子が,偏西風によって運ばれ,北はベーリング海から南は赤道付近まで広がっていることを明らかにした(Uematsu et al., 1983).この論文は2018年1月時点で661回引用されている.また,植松氏は地球圏−生物圏国際共同研究計画(IGBP)のコアプロジェクトである海洋表面−大気下層研究(SOLAS)において日本の代表者として活躍してきた.その他にもFuture Earth国内プロジェクト設立に携わるなどさまざまな国際的研究プロジェクトを推進し,我が国の海洋化学コミュニティーに多大な貢献をなした.よって植松氏は海洋化学学術賞にふさわしいと確信し,ここに推薦する.